大学図書館の専門的職員の能力を発揮するための工夫

本稿では、大学図書館の専門的職員の能力発揮に関する設題について、私の解釈を解説します。

【設題】

「人的資源のあり方」の観点から、大学図書館の専門的職員が行う業務を7点挙げて簡潔に説明し、その能力をさらに発揮するための工夫について、自身の考えを含めて述べなさい。

【設題の要求】

下記の2点、特に「人的資源のあり方」「能力を発揮するための工夫」に着目した論述が要求されていると考えました。
  • 大学図書館の専門職が行う業務7点を説明する
  • 能力、すなわち高い専門性を発揮するための組織運営上の工夫を、人的資源の観点から述べる

【回答の方針】

この設題では、業務7点を支える専門性に着目し、人的資源の観点から能力発揮の方策を論じることが論述の中心となります。

そのため、

  1. 大学図書館の専門的職員が行う業務7点を説明する(概念の提示)
  2. 専門性を発揮するための組織運営上の工夫を、人的資源の観点から述べる(論述)
  3. 専門的職員の能力発揮が大学図書館にどのように寄与するかをまとめる(まとめ)
という流れで構成すると、設題要求に対応できると考えました。

【回答例】

概念の提示

大学図書館の専門的職員が行う業務7点を説明します。
下記に、大学図書館で専門的職員が行う業務を7点挙げる。

第一に、レファレンス業務である。主題質問を適切に処理し、書誌の提供や文献探索指導を行う。

第二に、選定・除籍業務である。自館の蔵書構成、資料価値や大学のカリキュラムの知識をもって、適切な資料を収集する。

第三に、分類・目録業務である。適切な分類記号、件名標目を付与するために、主題知識や書誌学知識が必要となる。

第四に、情報調査業務である。レファレンスツールやオンラインデータベースを適切に活用し、要求に応じて、網羅性あるいは再現性の高い情報を入手するための情報検索技術が必要である。

第五に、文献探索指導業務である。レファレンスツールを活用し、体系的に文献探索をする方法を指導する。利用者自身が主体的に調査できるようにする点に特徴がある。

第六に、視聴覚資料等利用指導業務である。視聴覚資料を適切に提供するとともに、再生機器の利用方法を指導する。近年は電子資料の利用指導も含まれる。

第七に、コンピュータ操作指導業務である。画像の加工や、文献ツールの利用指導など卒業論文の作成等に役立つ業務をいう。

論述

専門性を発揮するための「人的資源のあり方」について述べます。
テキストに準じて、人事配置や、雇用管理、研修制度等について触れました。
このように、大学図書館では、多岐にわたる業務でそれぞれに高い専門性が求められる。すべての業務を一人の職員が担うのではなく、職員の適性を見極めて適所に配置し、専門的職員が高度な業務に専念できるよう、非専門的職員との分業体制を整備することが望ましい。

また、専門性を継続的に向上させるための人材育成も重要である。現状では図書館司書であっても非正規雇用の場合が多いが、雇用形態にかかわらず企画立案に参画できる環境を整え、研修機会を確保することが求められる。内部研修で補えない分野については、外部研修や外部講師を活用し、それぞれが専門性を深められるよう支援する必要がある。

大学図書館の質は職員個人の努力だけではなく、専門性を継続的に発揮できる組織的な支援体制によって支えられると考える。

まとめ

専門的職員の能力発揮が大学図書館にどのような効果をもたらすかをまとめます。
大学図書館の専門的業務は多岐にわたる。職員が専門性を十分に発揮するためには、それぞれの得意分野を定め、研修等を活用して専門性を深めることが肝要である。

職員の高い専門性はそのまま質の高いサービスの提供となり、大学構成員である利用者からの信頼が得られるのみならず、大学の研究・教育に資することとなる。

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